声恋 〜せいれん〜
「もうおでかけしてもだいじょうぶなの? まだ2ヶ月なんでしょ?」
「んー、だいじょぶだよ、2ヶ月もたてばね。あ、でも今は寒いからあんまり出歩かないんだけど…わたしも、ほら、クリスマスだし、わたしだってリフレッシュしたいしね」
「そっか」
エリカに抱っこされて、大空くん、おとなしく自分のげんこつしゃぶってる。かわいいなぁ。何度もそう思っちゃう。
「でも、ごめんね。なんか大変な時期に…エリカと大空くんに会えたのはすごくうれしんだけど」
「いやいや、呼び出したのはわたしだしさ、だってほら、すごくびっくりしたから。ニュースになってたんだから! わたしもママ友たちに自慢できるよ、この子友だちなんだよ、ってね」
友達…。
エリカのその言葉に、胸がぎゅうってなった。
まだ…。
まだ、わたしのこと友達だっていってくれるんだ…。
「エリカ…あの…っ、ごめんなさい…!」
「え…陽菜?」
「…その…わたし、ずうっと思ってたの、エリカにあやまらなきゃなって…エリカが妊娠して、一番不安で心細かった時期に、わたし、自分のことばっかりになっちゃっててなんにもエリカの話聞いてなかったんだよ…ひどいよね…友だち、失格だよね…」
ぐっと両手をにぎって、深く息をはきだした。今でもあのころの自分のことを思い出すと気持ちが重くなる。
「…いやまあ、正直いうとさ…わたしががんばれたのも…陽菜のおかげなんだよね…」
「わたしの…?」