声恋 〜せいれん〜
「あ、なんか、話したいことあったんでしょ。なに?」
「あ、うん、そう、えっと、まずは、あの」
きゅうにまじめな顔してるくるから、ちょっとドキドキしちゃった。
「えっ…と、ずっと聞きたかったんだけど…はじめてみんなで屋上でご飯食べたとき、なんであんなに怒ったの? いったでしょ、優一くん。“声優が好きだなんて、そんなのありえない”みたいなこと」
「ああ、そのこと」
ちょっとホッとしたような顔を浮かべる優一くん。
「あ…ここ、すわっていいから」
ベッドのはしをポンポンする。
「あ、…ありがと。じゃあ…」
二人いっしょの行為が、小さくベッドをきしませる。
なにかを思い出すようにしながら、彼はゆっくりと話しはじめた。