声恋 〜せいれん〜
ドキドキしながらインターホン押す…。
「どうぞ」
優一くんの声がした!
フィィィィンって自動ドアが開いて、ロビーに入ることができた。
わぁ…広い…ホテルみたい…。
あ、カウンターに誰かいる! え、え、どうしよ~。
「あ…え…っと、こんにちは! 桜木陽菜ともうします! jこっ、高校二年です…本日こちらに参りましたのはこちらにお住まいの…え…鷹井…? 鷹井優一さんにお目通り願いたく参りまして…」
「いや、自己紹介いらないから」
「あ! 優一くん!」
もしかして迎えにきてくれたのかな? えへへ、なんかうれしい。
「さ、行こ。あっちがエレベーター」
「あ、うんっ」
ペコッとお辞儀して、わたわたと優一くんの後を追う。
「今日のかっこうも似合うね」
エレベーターの密室で緊張してたら、優一くんが言った。
「あ! え! そう? え? かわいい? そうかな? えへへ」
今日は、ひらひらレースがいっぱいついた真っ白なパフスリーブブラウスと、黒のショートパンツの組み合わせ。このショートパンツ、裾のリボンがかわいくて、ひとめぼれしちゃったんだよね。
よかったぁ、気に入ってもらえたみたい。