彼と私と隣の彼


また一つ、ため息が出る。


すぐ目の前の千春を見れば、千春も少し困った様子。



どうしよう…



意味もなく教室を見渡してしまう。



そんな時、



「詩乃ちゃん、俺たこ焼き食いてー。」



へ?



春人と目があったと思えば、すぐさまそんなことを口にした。



「たこ焼き…?」



「良くね?お祭りっぽいじゃん!」



「うんうん!そんなにお金もかからなさそうだし!」



途端ににぎやかになる教室。


春人の一言でこんなに話が盛り上がるなんて…



「綿飴とかもやってさ、もうお祭りにしちゃわない?」


「あ!それ良い!」


「フルーツ飴とかもさ!」




なんて、教室のところどころで話が盛り上がってる。



わわわ…



「ちょっと、みんな!1回落ち着いて!」



なーんて、あたしの声が届くわけもなく、ただ喧騒にまぎれて消えるだけ。


どうしよう…


これじゃ話がまとまらない。



んー…



「詩乃ちゃん。」



教室のざわつく中、聞こえたその声に振り向けばいつの間にか、教卓の横へと移動してきた春人。



「春人…。」



「まかせて。」



へ?


何が?



なんて聞き返す間もなく、声を張り上げたのは春人で




「お前ら!聞け!」



その一言でさっきまでのざわつきが嘘のようにぴたりとやんだ。




す、すご…



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