彼と私と隣の彼
未だに動揺している春人の襟元をグイっと掴むとあたしは一気に顔を寄せる。
そしてそのまま、
チュッ
重なるだけの一瞬のキス。
「…バカ春人。」
ゆっくりと掴んでいた手を緩め、背伸びした足の力を抜く。
「言っとくけど、あたし…自分からキスしたの初めてなんだからね…。」
と言っても、中学のときに一度キスをしたっきりの二度目のキスなんだけど…
自分からしたくせに恥ずかしいと思ってしまうあたしは、いつまでも春人の顔を見れなくて。
目の前にある春人のYシャツをジッと見つめるだけのあたし。
「…もう、ダメかも。」
急に発した春人の一言。
それを合図にあたしと春人の距離はまた一気に縮まる。
今度は春人からのキス。
突然のことに驚いたあたしなのに、さらに
「ちょ…ん…」
経験したことのない熱い口付けに驚いたのもまた確か。
何度も何度も角度を変え、ひたすら受ける熱いキスにあたしは体の力が抜けそう。
倒れそうになる体を春人にしがみつき、必死で支える。
それに気づいたのか春人もあたしの背中をギュッと抱きしめてくれた。