真実の奥に。
「ククッ……いい顔してる」

ちょっと待って。思考が着いていかない。意味がわからない。

「風香……もう一度言って?」


だーかーらー、と楽しそうに風香は口をあたしの耳に近付けた。



「私が嫌がらせを始めたのは鞄隠しの時からだよ?」


悪魔が。目の前の悪魔があたしをうっとりとした目で見つめる。

「その前から、失せろだの消えろだの書かれた紙を見たんでしょう?」





どくん、と大きく脈打つ。

頭が麻痺したのか、これが夢か紛れも無い現実なのか分からない。

そんなあたしを置いて行くかのように悪魔は言葉を止めない。




「それが誰なのか知らないけど、早く見つけた方がいいかもね?……次は猫じゃなくてあんたが殺されるかもよ!ぎゃははっ!」









………。


犯人が他にイル?




………………
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