真実の奥に。
「心図っ!何してんだよ!」


ハッと現実に戻る。八木があたしと風香が一緒に居るのを見て戸惑った表情をしている。


「心図!もうこんな奴と関わんな!!」

八木を真っ直ぐ見れない。

「八木……、……八木の猫……。」

「心図?……知ったのか?」

下を向いたままコクリと頷く。


八木はあたしを一瞬見据え、風香へ首を回した。


「おめぇが……やったんだな?俺の大事な家族を殺したんだよな?!ア゙ア?」


八木が風香の胸倉を乱暴に掴んだ。

こぶしをわなわなと震えさせながら。必死に殴りたい衝動を抑えているようだった。


こんな時にも風香は余裕の笑みを浮かべてあたしに伝えるように微笑みかけた。

「八木………違うの。あたしも信じられないけど、風香はやってないって……。」




「はっ?」

八木の信じられないという目があたしに向けられる。

あたしもだよ……。


「んなの信じるわけねぇだろ!!風香!自分のやったことを認めろ!俺が…俺がどんな気持ちで自分の猫の死体を見たか……!」

八木の振り絞るような声にあたしの胸が締め付けられる。


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