真実の奥に。
とりあえず、潮那の質問に答えなきゃいけないので
あたしは誤魔化し作戦に出た。

「んーーーと、ドイツ人?」

言った途端に
前方からギロッと睨まれ

「アハハハ・・・」
と、空笑いするしかなかった



ダッテ、スキナヒトガイルナンテウソダモン


「だ・れ?!」


何も知らない潮那はあたしを問い詰める


もちろんいつかは聞かれることを覚悟はしていた

あたしが友達に好きな人できた宣言をした日は、
それどころじゃなかった様で、
誰からも、その相手を聞かれなかったから


だけど、このタイミングはないだろっ!

いかにも言うまで帰らせないわよオーラが店中に広がっている



でも、めげずにあの日考えた通りに答えることにした





「秘密★」




最初は、クラスの男子を適当に言えばいいかなぁと思ったんだけど、
もしそれが何かの拍子にみんなに知れたら、
自分も相手も困ることになるから

とりあえず本当に好きな人ができるまで、
”秘密”と通そうと思っている



目の前の潮那は納得しないかもだけど。



現に、彼女は不服そうな表情を浮かべた


「教えてくれないの?」

あたしは正直驚いた

だって、
潮那は絶対脅すようなことを言うと思ったから

「言わないと、今度から宿題見せてあげないわよ~」とかさ。





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