瑠璃色の華
「まぁ。後宮で暮らしてきた者にとっては殿方と室を共にするなんて嫁入りも同然のことですのよ。」

「じゃあ、紅はわいの嫁さん同然なんやな。」

クスクスと笑っていた紅はその山崎の一言で笑顔をひきつらせた。

「嫁同然ではあっても嫁入りするわけではございませんので。勘違いなさらないで下さいませ?」

紅がめったに見せないような冷たい笑顔で山崎に言った。

「なんや。部屋が一緒ゆうのには反論はないんやな。」

山崎がニヤリとしながら言う。

「同じ仕事なのだから仕方がないのでしょう。」

紅は簪も取っておろされた髪を耳にかけながら言った。

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