街で君の唄を聞いた
はぁ…やっと朝飯に食いつける…。
手間かけさせんなよな〜。
「おっ、キニメル!昨日振り!」
「あ、おはようレイヒ!」
またキニメルは本を何冊か持って、ふらふらと歩いている。
…貧弱そうに見えてくるぜ。
ショボーンだし、内気そうだし、ネガティブそうで、何か放っておけないんだよなー。
兎…。
もふもふしたい。
キニメルもふもふしたい!
あのふわっふわの髪!
狙ってんのかチクショー!
「あ、キニメルはダンスパーティー出んの?」
「ううん、僕は踊れないから出ないよ。それに魔法ももっと上達したいしね」
「そっかー…。お前も大変だな。ま。しょーがないかー」
「ごめんね。じゃあまたね!」
「おー」
ちぇっ、あのふわふわ兎出ないのか。
惜しいな。
実に惜しい。
あれ、日本語おかしい?
や、きっとパーティーに出たら、お姉様方にちやほやされると思うぜ!
そこは保証する!
―――そうだよ。
呑気な事を考えてたから、気がつかなかったんだよ。
「…あははん」
「キッモ」
「あっ、ごめん元々ー。うふ、メレナは色気増したねっ」
時間は飛んで、夕刻時。
あたし達は燕尾服に身を包んでいる。
目の前に居るメレナは若干、いや結構引いてる。
いやん、でもみんなイケメン度がホントに増してますぜっ!
うん!でも今の自分はホントにキモい。
そこは否定しない!
…あれ、あそこにいる人…一際目立つ格好してるなぁ…。
しかもナイスバディーなお姉様ですこと。
ま、あたしはそこまで胸要らないんだけど。
だって走る時邪魔だし。
…うおっ、こっち向いた!
しかもヒール鳴らしながらこっち向かってくるんですけどぉぉぉぉお!!
「ねぇ貴女!」
「ななな何でございましょうかぁあ!?」
「あの男の子、あたしに紹介してくれない!?」
うおおおお!何か肩まで掴まれて急に迫ってきたよ!
えっ、てか、紹介って…。
綺麗なお姉様が指差したのは、……え、カヅム!?
WAO!無表情で少し毒舌なカヅムさん!?