街で君の唄を聞いた
仲がいいんだか、悪いんだか。
でも、ま、結局は仲良いんだろうな。





『あっ!お前何俺のコンソメ味のポテチ食ってんだよ!!』

『じゃーそこに置いておくなよ』

『太っても知らねーぞ』

『残念だったな。あたしは部活掛け持ちで剣道と空手やってるからな。デブにはならん』

『全く…二人は仲良いな』

『『はぁ!?悪いし!!』』

『…やれやれ』







…何、懐かしき昔の事思い出してんのよ。

でも、嫌いってわけじゃなかった。
迷子になった時、ちゃんと探してくれたし。
泣き喚いても、誰も来なかったし。


怖かった。


何だかんだ、兄貴達は優しかった。
笑顔だった。
幸せだった。
嬉しかった。


あの日だけは忘れないだろう。



「…レイヒ?」

「ん?何?」

「……いや、何でもない」

「変なヴィーノ」

「変で悪かったな」

「はいはい。仲が良いのは宜しいことで。ですが、早く帰りましょうね」




あ、そうだ。帰んなきゃ。
早く風呂行きたい。寝たい。
何でそんな事忘れてんだ。


「よーし!疲れたし帰ろ!!」

「疲れてる様に見えないんだが」

「ヴィーノがそう見えないだけですーッ」

「そういうことにしといてやるよ」



ちくしょー!上から目線!
これは何か悔しい!
早く連れてけ!


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