街で君の唄を聞いた
コン、コン
「はいはーい」
ガチャ
「今晩は、レイヒ様」
「あ、レイ!」
「お食事をお持ちしましたわ」
「え、マジすか。食堂とかないの?」
「いえ、ありますが、まだレイヒ様の事を知らない方もいらっしゃいますので、それまでは私がご一緒させていただきますわ」
「そっかー。んじゃ冷めない内に食べちゃお」
「はい」
レイが運んできた食事は、もう絶品。
絶対に一流シェフが作ってるんだれうな、って事がすぐにわかる。
今度話してみたいなー…。
口と手が止まらず動く。
それぐらい美味しくて、腹減ってたんです。
「っはー。御馳走様!」
「御馳走様。ふふ。とても美味しそうに食べていらっしゃいましたね」
「だって美味しい物は美味しいんだから仕様がないよー…♪」
「それでは失礼致しますわ」
「うん、また明日ね」
「はい、また明日。…………あら」
レイは笑顔で部屋を出て行った。
と思ったら。
「よー。レイヒちゃん。さっきぶりー」
ひょっこりコルクが出てきた。
何か用があるのかもしれないけど、こっちにとっては何もない。
話すこと一切なし。
「はい、用がないから帰れ」
「ははっ。何やその命令。俺は用があるから来たんやで?」
「んじゃ10秒で話そうか」
「無理やろ」
「んじゃ帰れ」
「何かあるやろ、悩み事」