花の魔女
ナーベルの修行は、泉の傍ということもあってか順調に進み、日に日に《魔女らしい》力が使えるようになってきたナーベルは気分がよかった。
枯れそうな植物に生気を与えたり、けがをした小鳥の治療までできるようになったのだ。
さすがのジェイクも、スポンジが水を吸うように力をつけていくナーベルには感心した。
そこでフィオーレに何やら耳打ちすると、フィオーレはぱっと花が咲いたような笑顔を浮かべた。
「ナーベル様。今日からは新しい分野のお勉強を取り入れていきますわ」
「新しい……分野?」
ナーベルはきょとんとして首を傾げた。
「ええ。わたくしの得意分野ですの」
何のことかわからなくて、隣にいたラディアンの顔を見上げるが、ラディアンも何のことかわからないという顔をしている。