花の魔女


ナーベルはアイリーンにこのように想われていたとは思ってもいなかったので、涙ぐんだ。


「お嫁に行ってしまったら、もう会えなくなっちゃうわね」


そう言うアイリーンに抱きつかれて、ナーベルは首を横に振った。


「まだ結婚するなんて決めてないわ」


アイリーンはわざと不機嫌そうな目でナーベルを睨んだ。


「だめよそんなの。私のためにも、ちゃんと結婚してもらいますからね」


ナーベルがはいと言うまで離すつもりはないらしく、アイリーンの腕に力がこもった。

ナーベルは苦笑いをして、仕方なく頷いた。








< 8 / 244 >

この作品をシェア

pagetop