花の魔女
ナーベルはアイリーンにこのように想われていたとは思ってもいなかったので、涙ぐんだ。
「お嫁に行ってしまったら、もう会えなくなっちゃうわね」
そう言うアイリーンに抱きつかれて、ナーベルは首を横に振った。
「まだ結婚するなんて決めてないわ」
アイリーンはわざと不機嫌そうな目でナーベルを睨んだ。
「だめよそんなの。私のためにも、ちゃんと結婚してもらいますからね」
ナーベルがはいと言うまで離すつもりはないらしく、アイリーンの腕に力がこもった。
ナーベルは苦笑いをして、仕方なく頷いた。