赤ずきんちゃん×オオカミくん
ピクン、と頭に生えている耳が動く

何か聞こえたのでそれに耳をかたむけてみる

ー・た・・めい・・と・りー・・!?

「もしかしてセロシアかな」

アルバがその声の主の名前をポツリ、とつぶやくきながら背伸びをしてパパイヤのような形をしている熟した木の実を取る

腕いっぱいに木の実を抱えて戻ろうとして気づいた

ー・・・なんでセロシアの声が変なとこでしたんだ?

寝ているはずのセロシアの声がしたところはどう考えてもいたところとはかけ離れた場所。

セロシアの声だったという自信はないがとりあえず声がしたほうへ向かうことにした


一応オオカミなのでセロシアのにおいを頼りに進んでいくが霧のせいで視界が悪くなっているので思うように進めない

ゆっくりと進んでいると次第に視界が鮮明になっていることに気づいた

あと数分したらこの霧は晴れるだろう

晴れたことでセロシアが歩き出して深入りする前に出会えればいいのだがあいにくまだ走れるほど霧は薄くなってないのでそれがすごくもどかしい。

ー頼むから動かないでくれよ、セロシア・・・!!

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