赤ずきんちゃん×オオカミくん
少し歩いたとこでそれなりに大きな木の上にひょいっとのぼる

それなりに運動神経が良いアルバは簡単に木のてっぺん近くにのぼりつめた

ーさて、セロシアはどうしたかな?

わくわくしながら下をのぞき見るとちょうどセロシアがいた

別に、彼女に愛想をつかしたワケでもなければ置いていったつもりなんか全くない

むしろ自分はいらないんじゃないかって思う

相手は人間で

自分はオオカミ

しかも臆病でなにもできなくていつも仲間に頼ってばかりなダメなヤツ

だから試した

セロシアが追いかけてきてくれるかどうか

ホントはセロシアの言葉の意味だってわかってた

『・・・その べ、別に捜してくれなんて言ってないんだからね!! 一応感謝だけはしてあげても良いわよ?』

〈捜してくれてありがとう すごく、うれしかった〉

でもそれはきっと自分がとり間違えた意味

良いようにとっただけだ

嫌われてるって自覚するのが怖いから

ホントは一緒にいたい

でも嫌われてるのであれば潔く身を引こう

アルバが決心したその時だった

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