赤ずきんちゃん×オオカミくん
「アルバ・・お願い、聞いて!! 私、素直になれなくて意地張っちゃって・・

捜してたこと、すごく嬉しかった 貴方が私のことイヤになってなかったら・・・
戻ってきてほしいの!!!」

静かな森にセロシアの声が響く

風が頬をなで、葉をゆらす

ー・・言いたいことは言ったしあとは一人で行こう

何の返事もないその場所から離れようときびすを返そうとした

ガサッ ドッシャ!!!

「いってぇー・・」

「うぇ?!あ、アルバ!?」

「・・あ、バレたか」

気まずい沈黙が流れる

ーヤッベ どしよ、隠れてたとか絶対嫌われたとか勘違いされるパターンだろ・・・

ーな、なんで木の上から・・ あ、何か言わないと嫌われてるって思われちゃう!!

二人で同じことを同時に考える

だが、何を言ったらいいかわからずただ沈黙がひたすらに流れていくだけ

意を決した二人は沈黙を破ろうとした

「「あ、あのっ・・・!!!」」

見事にかぶった

「「あ、そっちから・・」」

またかぶる

そんな調子に思わずセロシアは吹きだしてしまった

「な、なにこれ バカみたい」

「確かに!! なんなんだろなこれ」

いつのまにかお腹を抱えてまで笑いあう

・・どうやら仲直りできたようだ

< 38 / 57 >

この作品をシェア

pagetop