夏の幻
可笑しそうに笑うミーコ。
「歴史はあまり得意じゃないようね」
…ごもっとも。
俺はポリッと頭をかいた。
…ミーコの話からわかったこと。
ミーコは現代生まれじゃなく、じいちゃんより前の明治生まれだということ。
あと、なかなかのお嬢様だということ。
…それだけ。
ミーコは自分の事を、あまり語ろうとはしなかった。
ただ、病気で死んだとだけ言っていた。
何で今この世に戻ってきたのか。
何か未練があるのか。
…疑問は沢山あったけど、むやみやたらに聞くことはできなかった。
それに別に、知らなければ知らなくてもいい。
俺のしょうもない話や日常に、ミーコが時折微笑みながら耳を傾けてくれる。
それだけで十分だった。
…今思えば、その頃からもう、この感情はあったのかもしれない。
……………