夏の幻
苦しそうに息をするミーコ。
うっすらと湿ったおでこを優しく撫でて、俺は呟いた。
「病院行こう、ミーコ。」
…ゆっくりと、ミーコの目が丸くなる。
俺の真剣な目をミーコの瞳が呑み込む様に見つめていたが、諦める様にそっと瞼を閉じた。
「…いつから?」
「え?」
「いつから気付いてたの?あたしが、幽霊なんかじゃないってこと」
ゆっくりと瞼を開けるミーコ。
「…初めてミーコを、抱き締めた日」
抱き止めたままの状態で俺は言った。
「あんな暖かい幽霊、いるかよ」
俺はふっと笑った。
…そう、あの時感じた体温は、確かに暖かかった。
それに…
「…心臓、ドキドキいってたでしょ」
微かに微笑んでミーコは言った。
俺も方眉を下げて笑う。
…火照る体と高鳴る心臓。
それはどうやっても、隠せないものだった。