夏の幻
「始めは…ちょっとした、好奇心だったの」
ミーコは言った。
「シロ、あたしのこと本当に幽霊だと思ってたし…あたしも、そう思われてた方が都合がよかった」
「元々幽霊みたいなものだし」と呟くミーコ。
「幽霊だと思ってたら、簡単に人には言わないでしょ?言った所で信用なんてされないと思うし…。何より、シロなら言わないでくれるって思った」
…始まりは俺も好奇心だったな。
ふいにそんな事を思う。
「でもまさか、シロが毎日来るなんて思わなかった。どうしようって思ったけど…幽霊として会うなら、大丈夫かなって思ったの。幽霊なら…いつ消えても、おかしくないでしょ?」
力なく微笑むミーコ。
「…夏は越せないだろうって、医者には言われてたから」
…心臓がドクンと跳ねた。
一番聞きたくなかった、真実。