トップモデルたちの恋


  「ねぇ、あたし

   じゅんやのこと忘れなきゃ

   いけないの?」

  ひなに聞いた。

  ひなにきいても答えが出ないなんて
 
  わかっていても

  誰かに頼りたくなる

  「あたしも

   けいのこと忘れなきゃ

   いけないよ…」

  

  あたしはこのときはじめて

  モデルなんてしなきゃよかった

  って思ってた。

  

  「ねぇみなん…」

  鼻声でひなが話しかけてきた

  「何?」

  「今日はありがとね。

   いろいろと…。

   あたしのために」

  「あたしはひなと

   居られなくなるのは

   いやだから」

  

   そうしてそれぞれ布団に

   入った。


   あたしは心の中で

   さよならを告げた。

   大すきなあなたに。 
< 40 / 62 >

この作品をシェア

pagetop