嘘の愛に溺れて
嘘1

宏樹 side



恋ってなんだ??

愛ってなんだ??

そんな形のないものを信じるなんて人はどうかしてる。








「♪♪♪♪♪」


「あ、俺それ知ってる。
DARK ROADの“BLACK LOVE”だろ。」


俺の鼻唄を聞いて隣にいた春樹が自信げに話してきた。


「俺、好きなんだよな~!かっこよくね??歌も上手いし。」


「まぁな。」


適当に相づちをうちながらも鼻歌ではなく軽く歌い始めた。


「お前、意外と上手いのな。」


「どうも。」


高校3年生になった俺はそろそろ進路を考える頃になった。
とくになりたいものもない俺は進学か就職か迷っている。

教師からは早く決めろだの、進学しろだのしつこく迫られうんざりする毎日。

なんの役に立つかもわからないようなことを教えられる学校。

毎日が面倒で暇でしょうがない。


「うちの学年って可愛いヤツ少なくね??」


春樹がいきなり話題転換をした。
可愛いヤツと言われても、俺は女に興味ないしそこまでジックリ見たことがないからよくわからない。



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