軌跡

　場所を近くの居酒屋に移した六人は、改めて乾杯をしなおした。宴会が始まり、三十分が経過しただろうか、既に男性メンバーはジョッキを三杯飲み干し、四杯目がそれぞれの手元に配られた、そのときだった。
「睦也さん、今日のプレイは、何だったんですか」
　切り出したのは、呂律の怪しくなってきた秀樹だった。
「どうしたんだよ秀樹、急に」
「賢介さんだって感じてるんじゃないですか？　最近キレがないっていうか、繊細差にかけるっていうか」
「ちょっと秀樹、飲み過ぎ。ごめんね、睦也くん」
「里美ちゃんが謝ることないよ。お前のリズムが狂ってたんじゃねぇのかよ」
「睦也もそう熱くなるなって。秀樹、お前も言い方ってもんがあるだろ」
「言い方ってなんだよ、太輝。お前もおれのプレイが悪かったって言いたいのかよ」
「そうですよ。睦也さんが乱してたんですよ」
　立ち上がり、秀樹の胸倉を掴もうとした睦也を止めたのは、賢介だった。