軌跡
「こんな幸せな誕生日、何十年ぶりだろ」
睦也の肩を枕にした優は、不意に呟いた。
「何十年ぶりは、大袈裟だろ?」
「う~ん、大袈裟じゃないの」
そう否定した優の顔には、さっきまでの幸福感は残されていなかった。やはり、永遠など求められないのだ。
「だって、友達とか両親が祝ってくれただろ?」
過去の話になると、今までは何かと話をはぐらかされてきた。きっと今日も、同じ結果になるだろう。
だが、その日は違った。
「私の両親、離婚してるの」
睦也はその事実以上に、優が自らの過去を語り出したことに、驚いていた。
睦也の肩を枕にした優は、不意に呟いた。
「何十年ぶりは、大袈裟だろ?」
「う~ん、大袈裟じゃないの」
そう否定した優の顔には、さっきまでの幸福感は残されていなかった。やはり、永遠など求められないのだ。
「だって、友達とか両親が祝ってくれただろ?」
過去の話になると、今までは何かと話をはぐらかされてきた。きっと今日も、同じ結果になるだろう。
だが、その日は違った。
「私の両親、離婚してるの」
睦也はその事実以上に、優が自らの過去を語り出したことに、驚いていた。