サクラノコエ
俺の手を容赦なく締め上げてくる理紗。

痛みのあまり脂汗がたれる。

必死に理紗の手を離そうともがく俺を、理紗は冷たい視線で見下ろしている。

怖い。

誰か……

「もう、逃げられないよ」

まるで感情もなにもない、冷酷な瞳。不気味に笑う口元。

モウニゲラレナイヨ

ニゲラレナイヨ

ニゲラレナイヨ

理紗の声が真っ暗な空間にこだまする。

「……せ」

殺される。

理紗に殺される!

「離せよ!」

俺はそう大声で叫ぶと同時に、もの凄い勢いで飛び起きた。
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