サクラノコエ


「おぅ」

「こんばんは……」

次の日、俺たちは7時30分にいつものコンビニの前で待ち合わせをした。昨日の待ち合わせのときとは違う緊張が、胸を締め付けてくる。

理紗からもらったメールを読み返しながら、俺はあのときに見たテレビ番組の内容を思い返していた。

どんな経緯でその患者たちが多重人格になったのか、そういったことはやはり抜け落ちてしまっている。けれど、どの患者も自分の置かれた状況に苦しんでいたということ、好きで人格障害者になったわけではないと言っていたことは覚えている。

理紗の左手に刻まれた、沢山のリストカットの跡。

あれは理紗の心の傷。

理紗も苦しいに違いないんだ。
< 270 / 454 >

この作品をシェア

pagetop