サクラノコエ
こうして見ていると、いつもの理紗なのに……

なんの抵抗もなくこう答えるということは、やはり、そういうことなのだろう。

「ちょっと、二人だけになれるところで話そ」

俺は早速のように、そう提案すると

「こっち」

と、無理矢理小さく笑い、理紗の手を引き駅前に向かって歩き出した。

歩きながら、いつものように話をしようと何度も思った。でも、夢のことが頭をよぎってしまい、どうしても言葉が浮かんでこない。

理紗も俺に手を引かれるままなにも言わず、結局昨日のようにお互い無言で駅前まで歩いた。

< 272 / 454 >

この作品をシェア

pagetop