となりの窓からこんばんは。


校門まで歩くと、周りの生徒がこっちを見ていることに気付いた。



…そっか、
和真って、かっこいいんだっけ。


つい忘れちゃうな。
いつもはただの変人だし。



「人が多いなー」


和真が顔をしかめて言った。


「当たり前でしょ、学校なんだから」


そういえば、人間が嫌いとか言ってたな。

本当だったんだ。


「…気持ち悪い」


低い声で、和真がこぼした。


「え、大丈夫?そんなに?」


私は慌ててその顔を覗き込んだ。


「具合悪くなるくらいなら、無理しなくていいのに」


そう言って、背中をさすりながらゆっくり歩く。


「なんか、有奈がいっしょなら、大丈夫だと思った」


そんなこと、普通に言うから。

…もう、ちょっと照れちゃったじゃん。


私、信頼されてるのか。ちょっと嬉しいな。


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