となりの窓からこんばんは。


次の日。


私は、玄関で目の前のドアとにらめっこをしていた。


…あと3分で8時だ。
そろそろ出よう。


何故か緊張しているらしい私は、小さく深呼吸をしてドアを開けた。



「…っ、」



そこには、いつもと違う、制服姿の和真が、朝の匂いの中立っていて。



「よう、有奈」



爽やかに笑顔で挨拶なんてするもんだから、
ちょっとだけドキッとしてしまった。



「おはよ、…和真」



私が絞り出すように言ってへらっと笑う。

和真は一瞬不思議そうな顔をしたけど、
特に気にしてないようで。


「じゃ、行くか」


私と和真は、並んで
歩き出した。



いつもの通学路が、
なんだか新鮮に感じた。


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