キミの隣のイケメン君.
ミルクティーを飲み終わったころに奏が帰って来た。

「こうして3人並んで歩くの久しぶり」

真ん中を歩いている葵が言った。

「そうだな。」

母さんが働いているレストランまでは30分ぐらい歩く。

「瞬兄が卒業しても俺やっぱり人気ないみたいなんだけど…」

悔しそうに奏が言う。

俺の存在がこいつの中ではかなり大きいらしい

「そうなんだ。」

ちょっと奏が不憫に思えた。

「この間3年の先輩に告白されてたでしょ?」

葵が見てたよって感じに言った。

「あれは瞬先輩もかっこよかったけど、奏くんもかっこいいよね、あたしと付き合ってって言われたからふった!!」

奏がぶすっとした顔した。

ますます可哀想に思えてきた。

「芸能界で頑張れよ」

「瞬兄に言われるとなんかムカつく」

「なんでだよ!?」

兄に向かってムカつくって

「なんでも学校では瞬兄が付いてくる。」

「お兄ちゃんを悪く言わないの!」

葵が奏を制した。




「いらっしゃいませ」

レストランのドアを開けたら、アルバイトらしい男の人に案内された。

「佐原絢さんいますか?」

葵も初めて見るらしい、母さんを呼んでもらった。

すぐに奥から母さんがエプロンを着たまま現れた。

レストランはピークを過ぎている時間だから空いていた。

「瞬くん!おかえり。」

「ただいま。俺腹減ってるから早く食べたい。」

「はいはい。向こうに予約席があるから座って待ってなさい」

テーブルには予約席と札が立っていた。



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