偽りの結婚



誘われればいつも誘いに乗るわけではないのね…

湖に面した席に座り、用意されていたアフタヌーンティーを口にしながら冷静に観察する。

令嬢の誘いを断りグレイク侯爵とにこやかに話しているラルフを見ていると、私の周りに先程ラルフにアタックしていた令嬢がこちらに寄ってくる。

なんだか嫌な予感がする。




「ごきげんよう、シェイリーン様」


ラルフに向けた甘ったるい言葉遣いとは随分違い、刺々しい声色を向けられる。




「…ごきげんよう、皆様」


これから先起こることを予想し、声が堅くなる。

正直話をしたくない人ばかりだ。





「ご結婚生活はいかがですか?」

「聞いたところによると、新婚にも関わらず、ラルフ様は毎晩女性のところに通われているとか」


早速クスクスと笑いながら厭味をぶつけてくる令嬢たち。



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