偽りの結婚
「いっ今、シェイリーン様と湖のボートに乗りましょう、とお話していたところなんですの」
「本当か?シェイリーン」
令嬢たちの話にまだ納得していないのか、訝しげに声をかけられる。
「えぇ…そうなの」
ここで否定しても後で面倒よね…
後で自分に返ってくると考えた時に、ここは彼女たちの話に合わせていた方がよさそうだと判断した。
そんな私に悪びれた様子もなく、彼女たちは私の腕を引く。
「ささっ、シェイリーン様、行きましょう」
否定しないことをいいことに、湖のボート乗り場へ連れて行かれる。
後ろからラルフが訝しげな視線を向けていたのが分かったが、なすがままにされるしかなく…
結局、ボート乗り場まで来てしまった。
「さぁ、ボートでゆっくり話しましょうか、シェイリーン様」
「ボートの上じゃ誰にも聞こえないものね」
まだ懲りていないのか、クスクスと笑みを浮かべながら私をボートへと誘う。