偽りの結婚



「あぁ、ラルフ様を見ていたのね。けど、貴方みたいな薄汚い娘なんて助けてくれるわけないわ」


私の視線の先を追って察する令嬢たち。

なぜ私がこんなにも責められなければいけないの…?




「そうよ、新婚なのに放っておかれる妻なんて、ねぇ…」


ニヤニヤと意地の悪い笑みが深まる。

ラルフと結婚したばかりに、こんなにもたくさんの人を敵に回してしまって。

助けてくれる人なんていなくて…

家にいたころはどんなに厭味を言われ続けても逃げ場があった。

アリアやディランのところへ行けば、気分が和らいだから。



けれど今は……




一瞬この状況から逃げたい衝動に駆られたが思いとどまる。

私がラルフと別れてしまえば、その矛先はアリアに向けられる。

こんな想いをアリアにさせたくはないわ。

我慢…我慢よシェイリーン……


うつむき、膝の上に置かれた手をぎゅっと握りながら耐える。

しかし次の瞬間、その意志はもろくも崩れ去った。



「そもそも、貴方の母親も庶民の出でしょう?親子そろって媚を売って爵位を上げようだなんて信じられないわよね」



ドクンッ…―――――――


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