偽りの結婚
出会った当初は抱くはずもなかった気持ちに不安になる。
いつから、こんなにも脆くなったのかしら…
自分の胸に巣くっているラルフへの感情に、翻弄される。
「私は大丈夫です」
自分に言い聞かせる意味でも、ハッキリと言葉に出す。
そう、大丈夫。
私はちゃんと自分の立場を分かっているわ。
「そうか。まぁ3日間なんてあっという間だ。すぐに帰ってくるよ」
朝日を背に、こちらを向いて笑顔で話すラルフ。
「ええ、いってらっしゃい」
3日と言わず、もっとモルト王国に滞在して欲しい。
そうすれば、私も出会った当初の気持ちに戻れるだろうし、ラルフも想い人であるソフィア姫と気兼ねなく結ばれるだろう。
そんなことを考えながら、モルト王国へ向かうラルフを見送った。