偽りの結婚



モニカたちにまで心配をかけるなんて…

こんなに気持ちを表に出すことはなかったのに。




普段、スターン家にいると色んな我慢を覚えた。

自分のしたいことをしない我慢。

言いたいことを飲み込む我慢。

スターン家には誰も私の味方についてくれる人などいなかった。


…だから我慢した。

我慢をするとミランダやイリアからの厭味も減ったし、あたられることも少なくなった。

あれは我慢と言うより諦めにも近かったのかもしれないけど。




それでも、自分が我慢することで丸くおさまるならそれが一番いい。



あの頃から自分の気持ちを隠すことには慣れていたはずなのに…

それはきっとラルフがミランダやイリアと違って、私に対する顔付きや態度が優しいものだから。




こんなに悩むならいっそ嫌われていた方がましだわ。





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