偽りの結婚



「僕の贈り物を受け取ってもらえるかい?」

「はい。ありがとう…ございます」


優しく促すように問いかけるラルフ。

勘違いしちゃだめよ、シェイリーン。

モルト王国に一人行かなかった妃との仲を疑われぬよう、贈り物をしただけかもしれない。




けれど……少なくとも、私の好きな本を贈ってくれた。

その事実だけで胸がいっぱい。






「大切にしますね」

「ッ……!」


本を大事に抱え、無意識に俯いたまま微笑む。

自分でも不思議なくらい自然と出た笑顔は少し恥ずかしくて頬が赤くなるのを感じた。

気持ちは伝えることは出来なくとも、こうして喜びを感じるくらい許されるわよね。



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