偽りの結婚
胸の中にある本の重みをしっかりと受け止めながら、ラルフを見上げれば、何故か口元に手を当て顔を赤くしている。
ラルフまで顔を赤くしてどうしたのだろう?
いつにないラルフの表情を不思議に思い、訝しげな表情をする。
もしかして、風邪を引いたのかしら。
だから一人で帰ってきたのかもしれない。
そんなことを思いながらじーっと見つめていると、ラルフが深いため息をつく。
「無意識とは怖いものだ」
「え?」
お手上げ状態というように、困ったような笑みを浮かべるラルフ。