偽りの結婚
「いや、何でもない」
ククッ…と笑いながら自分の中で完結させられた。
理由はわからないけれど、なんだか楽しそう。
そして、ラルフは訝しげな表情をする私の頭にポンと手を置き、口を開く。
「そんなことよりも、今日はグレイク侯爵夫人からサロンに招待されているんだって?」
「そうですけど…なぜ知っているの?」
ラルフから出た言葉にドキッとした。
昨日まで他国にいたラルフが知り得ない情報をなぜ知っているのか疑問に思う。
「モニカから教えてもらった」
なぜモニカが?
モニカはラルフたちがモルト王国に行っていた3日間、王宮にいたはず。
意外な人物の名前が出たことに、さらに疑問が深まる。