偽りの結婚
「なぜ元気がないんだ?」
続いた言葉も短かったが、今度はそれだけで通じた。
「それは……」
ラルフの問いかけに答えることが出来なくて口ごもる。
あなたが原因です…なんて言えるはずもないし。
それに言ったところでどうなるの?
ラルフが困るだけじゃない…
今ここにある気持ちは、ずっとここにとどめておかなければならない。
偽りの妃にそんな資格なんてないの。
そう思いながらギュッと胸を押さえる。
「悩み事があるなら言ってくれ。君が沈んだ顔をしていると、僕も悲しい」
体にまわされた手に力が入るのが分かる。