偽りの結婚



違うって言っているのに…


……でも嬉しい




「ありがとう…行ってきます」


わき上がった感情を抑えるようにラルフの腕を解き、書斎の扉に近づく。





「いってらっしゃい、シェイリーン」



3日前と逆ね…

あの時は私がラルフを送り出したもの。

あの日と同じように、窓の外から射す光を背に微笑むラルフを見て、明るい気持ちで書斎を後にする。





これから向かうサロンが二人の関係を大きく変えることになるとは知らずに……



< 202 / 561 >

この作品をシェア

pagetop