偽りの結婚



「アリア久しぶりね」


ドレス選びに夢中のアリアに声をかけるのは気がひけたが、思い切って呼びかけてみる。

すると、私の声にピクッと反応したアリアがドレスから顔を上げてこちらを振り返った。

琥珀色の瞳が見開かれ、パァっと顔をほころばせるアリア。




「シェイリーン!」


持っていたドレスを放り投げて走ってくる。

勢いよくこちらに走ってくるアリアに一歩後ずさるが、全く止まる気配がない。





――――ドンッ

結局、アリアは止まることなく私に抱きついた。



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