偽りの結婚



「まだあの継母と義姉にこき使われているの?」


アリアの顔はさっきよりもっとしかめっ面になった。





「こき使うなんて人聞きの悪い。家族なんだから当然でしょう」


確かに伯爵の爵位を持っていいながら屋敷に使用人が一人もいないのは珍しい。

しかし、うちにはお金がないのだ。

当然使用人を雇うなど不可能で、自分が働くほかない。


それに、ミランダやイリアは私のことをどう思っているかは明らかだけど、私にとっては2人が唯一の家族で…

自分があまり好かれていないとしても、家族には無償の愛を捧げたいものだから。


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