偽りの結婚





「いくら家族だからってシェイリーン一人に働かせるなんてひどいわ!」


自分の為に怒ってくれるアリアに嬉しく思う。

「大体ね…」といつものようにお説教が始まりそうな雰囲気に慌てて口を開いた。




「それよりアリア、来週の舞踏会のことで相談しに来たのだけれど…」


アリアは私の口から舞踏会という言葉が出たのに驚き、ピタリと話を止めた。



「どうしたの?シェイリーンが舞踏会なんて」


瞳を見開きぽかんと口を開くアリア。

未だかつてこんな相談を持ちかけたことがないから、アリアが驚くのも無理ない。



「ほら私って舞踏会なんて行ったことないでしょう?社交界に出ても失礼の内容に経験豊富なアリアに手ほどきを受けたくて」


すると、アリアの表情がぱっと明るくなった。




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