偽りの結婚



な、なんてことを……



ラルフにしてみれば私を使ってソフィア様にやきもちを焼いてもらう作戦なのかもしれないけれど、心臓に悪いわ。

ラルフの抱き寄せる腕に顔を赤くする一方で、ソフィアの反応が怖くて顔を青くする。

ビクビクとして俯いていると…




「初めまして、シェイリーン。ソフィア・エルカストルよ」



あれ?

怒ってない…?


俯いていた顔を上げると、そこには先程ラルフに向けた笑顔と同様に嘘いつわりのない笑顔があった。

とても悪意があるとは思えず、差し出される手に引かれるままに自分の手をおずおずと出す。




「シェイリーンと申します」


偽りの関係で妃の地位についているからか、ソフィアの前だからか、後ろめたさを感じる。




「以前はモルト王国に伺えず、申し訳ございませんでした」


モルト王国で開かれたパーティーは私一人が欠席だった。

あの時は、ラルフとソフィアが寄り添う姿を見たくない一心で欠席してしまったが、すごく失礼なことをしてしまった。



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