偽りの結婚




その後ろ姿をげんなりとした表情で見つめるラルフ。

普段は見られないラルフの表情を引き出すことのできるソフィアに感心するばかりだった。




「全く…おしゃべりな奴だ」


当の本人は非常に疲れている様子だが。

そんなラルフを見て、心の中で微笑ましく笑う。

私には分かる。

表面ではげんなりな表情をつくっていても、その優しい声色からソフィア様のことが好きだと言うことが伝わってくるもの。





「ソフィア様は噂以上に素敵な方ですね。」


思わず口から漏れたのは、素直な想いだった。

噂通りの美貌は違うことはなく、彼女の髪と瞳は黄金色に彩られていて。

けれど、彼女の美しさは外見だけにとどまらず内面まで美しかった。

同じ女性として憧れを抱かずにはいられない人。





「二人は気が合うと思っていたよ」


そう言えば、モルト王国に行く前にもそんなこと言ってたわね。

こんなに素敵な方だったら、早くお会いしたかったわ。





< 304 / 561 >

この作品をシェア

pagetop