偽りの結婚




「さぁ、僕たちもパーティーに行こう」


いつの間にか機嫌の良くなっているラルフが手を差し出す。




「はい」


ソフィアがいるのに手をとってホールへ行っていいものかと一瞬躊躇ったが、素直に手をとりパーティーが開かれるホールへ移動した。







そこは舞踏会が行われたところと同じホール―――


ホール内には華やかなワルツの曲ではなく、ゆったりと落ち着いた音楽が流れていて。

その音楽を背景に豪華な衣装に身を包んだ紳士淑女が談笑している。





「シェイリーン、僕はモルト王国のお偉い方々に挨拶に行かなきゃならない」


パーティーの招待客は主賓であるソフィアとモルト王国の重鎮たち。

他はこの国の上流階級の人間の中でもごく一部の人々が招待されてパーティーは執り行われていた。



「えぇ」


また始まったわ…少し呆れたように返事をする。



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