偽りの結婚



そう言えば、モルト王国から帰ってきた時に、ラルフが今年は鮮やかなステンドグラスが一面に施された聖堂とモルト王国一の敷地面積を誇る薔薇園に行ったと言っていた。

リエナとエドワードの反応から、その聖堂と薔薇園がとても素晴らしいものだったことが窺えた。





「ありがとうございます。庭師が喜びますわ」


ソフィアは自分の事のように嬉しがり、庭師に伝えておきますね、と言っている。




「今日は離宮に行くと聞いたが、何か聞いておるか?」


エドワードが訝しげな表情をして尋ねる。

お父様とお母様にも伝えていなかったのね…





「私は離宮へ行くことすら聞かされていませんでしたわ」


むぅっと口を尖らせて可愛く文句を言うソフィア。




「全く…ラルフの奴は何を考えているのやら」


こちらは大事な客を迎えている側なのだぞ…とエドワードはぼやく。



「ふふっ良いじゃない。今のうちに分かるわ、楽しみにしておきましょう」


そんな中でも、余裕の笑みを浮かべてどっしりと構えているリエナは相変わらずだった。




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