偽りの結婚




ソフィア様の気持ちを知っていて、ラルフの口づけを受け入れる自分が嫌だ。

想いを伝える事も、拒絶することもできずにいる自分が嫌だ。

まだラルフを諦めきれずにいる自分が嫌だ。



これじゃぁ、令嬢たちにラルフの容姿や家柄に魅かれて結婚した成り上がりの小娘だと思われても何も言えない。

深い口づけで意識が遠のく中、私は自己嫌悪に陥っていた。





そして、しばらくの後、私の体から力が抜けていくのを感じたラルフは、チュッというリップ音の後、唇を離す。





「はっ…ぁ……」


息苦しさから解放され、喘ぐように肩で呼吸を繰り返す。

キスの後の甘く痺れるような余韻で体からは力が抜け、ラルフの支えなしでは自分の体を支えていられない。


< 393 / 561 >

この作品をシェア

pagetop