偽りの結婚
だめ…ラルフにはソフィア様がいるのに…
ラルフの口づけに翻弄されながらも、ソフィアの儚げな笑顔がちらつく。
しかし、だめだと思う頭とは裏腹に、体は痛いくらいに正直だった。
始めは抵抗を見せていたものの、今やラルフの胸を押す手は添えられているだけ。
本気で口づけから逃れたかったら、それなりの方法はあったのに。
しかし、それが出来なかったのは相手がラルフだったからで…
頬に伝うのは贖罪の涙。
ごめんなさい……ソフィア様…
結局私はソフィア様を裏切った。
けれど、こんな状況でも心の奥では喜びに震えている自分がいて。
何の感情もなかった結婚式の時のキスとは違い、ラルフに想いを寄せる今はひたすらに甘い口づけだった。
だから……一層自分が醜く映る。