偽りの結婚
ラルフは私を守ると言ってくれた。
けれど、それは私がパーティーでまたトラブルに巻き込まれたんだと思っているからで…
きっと、それが原因で泣いているのだと思われたんだわ。
けれど、それでも良い…
今日だけ…今日だけだから…
私を抱きしめるこの腕も。
耳に馴染む、甘く低い声も。
ラルフの全てを体に刻みつけるために、背中に回す腕に力を込める。
「なんだ?今日はやけに積極的だな」
自分に回される腕が一向に緩まないことに、ラルフは嬉しいながらも少し戸惑いを感じているようだった。
それは、あまりに普段の私とは違うからだろう。
「素直な私は…嫌いですか?」